「罪と赦しの秘跡―福音の神髄」より
岩島神父のキリスト教信仰入門講座
岩島忠彦氏(カトリック・イエズス会司祭、上智大学神学部名誉教授)
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自己弁護し続ける人間と
神の救い
「赦しの秘跡」は昔は「告解」とも言われていましたが、罪を告白するところだけがクローズアップされがちなので、今は「赦しの秘跡」と言っています。赦しの秘跡は、キリストの福音が教会の中で起こり続ける非常に具体的な形です。そして「神様はあなたを無条件で赦してくださる。なぜかというと、あなたを愛しているから。」それがキリストが命をかけて証しされた福音なんです。
人はいろいろな負い目やゆがんだ部分を持っている。自分でそれを赦すことも正当化することもできない。けれどもそれを認めてしまったら自分の立場がないというようなことが多いわけです。それは例えるなら逃亡中の殺人犯みたいなものです。なぜ逃亡するかというと、捕まったら必ず死刑だとわかるからです。人が罪人だというのはどこかそういうところがあるんです。自分の中に何かしっくりこないものがあっても、それを認めたら立つ瀬がないわけです。だから自己弁護をする。
それに対してこの福音は「いや、神様は無条件で全部赦す」と言ってるんです。
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