「満たされた空虚」川島隆一氏(1/5)

「満たされた空虚」光を見るすべ—ヨハネによる福音書—・川島隆一氏

第6回「満たされた空虚」
光を見るすべ—ヨハネによる福音書—

川島隆一氏(日本基督教団 秋田楢山教会牧師)

聖書:ヨハネによる福音書2章1〜12節  >>聖書を読む

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喜びの

今回の御言葉は、主イエスがガリラヤのカナで行われた婚礼で水をぶどう酒に変えられた最初のしるしからです。婚礼という最高の喜びの時。ヨハネ福音書は、ここから主イエスの公の活動を語り出します。

今、この婚礼は、喜びの宴が中断されかねない瀬戸際にあります。というのも、新郎新婦は貧しかったのでしょう。用意していた婚礼の祝いのぶどう酒がもう無くなってしまったのです。イエスの母マリアは、そのことを主イエスに伝えました。しかし、主イエスは、こうお答えになったのです。

「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。
わたしの時はまだ来ていません。」
(4節)

「わたしの時はまだ来ていない。」主イエスの言われる「わたしの時」とは、何時でしょうか。それは、イエスが十字架に上げられる時だというのです。つまり、婚礼という最高の喜びの場で、突如として、キリストの十字架に注意を向けさせられるのです。