「まさか、私のこと?」金田聖治(1/3)

「まさか、私のこと?」愚直な道ーマルコによる福音書ー・金田聖治氏

第41回「まさか、私のこと?」より
愚直な道ーマルコによる福音書ー
金田聖治
(日本キリスト教会鎌倉栄光教会牧師)

聖書:マルコによる福音書14章12~19節 >>聖書を読む

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勘違いしけている

救い主イエスは、十字架にかけられて殺されなければなりませんでした。
「どうしてだろう。何のことだろうか」と、あの弟子たちも考えつづけました。わたしたちも考え巡らせつづけます。

恐ろしい十字架の出来事がすぐ近くに迫って来ていることは、弟子たちも薄々気づいていたでしょう。エルサレムの都に入ってからは、周りの人たちの様子や目つきも、これまでとはだいぶん違ってきていました。

食事の席で、弟子たち皆の前で、主イエスは仰いました。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている」。これは、「特にあなたがたに向かっては、はっきり言っておく」という意味です。弟子たちは心がとても痛くなりました。それまでは、他人事のような気分だったのですから。「まさか私のことですか?」と弟子たちは代わる代わる言い始めました。

私は初めてこの箇所を読んだとき、いきなり頭をぶん殴られたようでした。
「わたしを裏切る者がこの中に」と主イエスが仰いました。そこで心が痛みました。

ご存知でしょうか。
主に従い切れず、つまずいたのは、ユダだけではありません。
あのペトロと弟子たちばかりではありません。
どんな時代においても、どんな社会にあっても、大人も子供も誰でも、「まさか、それは私のことでは」と疑い、「他の誰のことでもなく、まさしく自分のことだ」と気づかねばなりません。
それが、この箇所を読むためのクリスチャンの出発点であるでしょう。なぜなら主は、二千年前のあの弟子たちを救われただけではなく、彼らとともに私たちをも救い出してくださるからです。