「闇夜に神と逢う」広田叔弘氏(1/5)

闇に立つ神「闇夜で神に逢う」光を仰げー創世記ー・広田叔弘氏

「闇夜に神と逢う」より
光を仰げ─創世記─
広田叔弘氏
(日本基督教団梅ヶ丘教会牧師)

聖書:創世記32章23~33節 >>聖書を読む

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兄エサウに対するれ、よみがえる二十年前の

ヤコブはヤボク川を渡りましたが、彼の一行を一足先へ行かせ、ヤコブ自身は、独り川のほとりにたたずみ、このまま先に行くことはできませんでした。

何故かと言えば、つい昨日のことです。ヤコブは兄エサウの様子を知るために僕を遣わし、こう報告を受けたからです。

「『兄上のエサウさまのところへ行って参りました。
兄上様の方でも、あなたを迎えるため、
四百人のお供を連れてこちらへおいでになる途中でございます』と。」
(32章7節)

四百人のお供などあり得ません。武装を整えた四百人がこちらへ向かってやって来るに違いないのです。そこでヤコブは、家族と財産を二組に分けます。どちらか一方が襲われても、もう一方は助かるかもしれない、と。

さらにもう一つ手立てを講じます。

「自分の持ち物の中から兄エサウへの贈り物を選んだ。それは、雌山羊二百匹、雄山羊二十匹、雌羊二百匹、雄羊二十匹、乳らくだ三十頭とその子供、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭であった。…ヤコブは、贈り物を先に行かせて兄をなだめ、その後で顔を合わせれば、恐らく快く迎えてくれるだろうと思ったのである。」(32章14~21節)

家族を二手に分けたり、贈り物攻勢を用意したり、ヤコブは知恵を巡らせました。しかし、それで解決できるようなことではありません。そんなことはヤコブも承知しているのです。