「トラックで教会に乗り付けて」川崎一路氏(1/3)

「トラックで教会に乗り付けて」川崎一路氏

川崎一路氏(日本基督教団東舞鶴教会牧師)
「この地で、牧師として生きる〜今あるは、ただ神の恵み〜」より

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父の蒸発、逃げ…

私は岩手県盛岡市で、比較的大きな商家の子供として生まれましたが、私が小学校四年生の時、父が蒸発し夜逃げ、そして借金取りに追われるという経験をしました。その後父が帰って来たのですが、いつ何が起こるか分からない、本当に信頼出来るものなどあるのだろうか、そういう思いがいつもありました。

大学のゼミの勉強で聖書を読み始めて、何かここにはあるんじゃないだろうかと思い、ある教会へ通うようになり、キリストを素直に信じる事が出来たんです。そしてその後、献身の志を与えられまして、神学校へ行き教会で奉仕するようになりました。ところが、これはもう自分自身の大きな欠けと罪の問題だと思いますけど、牧師を一回退く事になったんですね。その時の自分の心はとても複雑で、これで楽になれるという思いと、これから自分はどうなってしまうんだろうという、その両方がありました。神が与えて下さった奉仕をないがしろにしたという思いが非常に強くありまして、教会からも足が遠のいてしまいましたし、相当自堕落なひどい生活をしていたと思います。何度か強い自殺衝動がありまして、もう自分なんか死んだ方が良いという思いと、いや神はそういうことをお喜びにならないという思い、その両方がせめぎあうような…。自分が招いた事ではありますけど厳しかったですし、また家族にも本当に迷惑をかけたと思っています。

しかし、こんなことじゃ自分はどうしようもない、教会につながらないとダメになると思いました。教会を探し始めて、ある教会で「神の言葉を聴くことができた」という思いを非常に強く持ったんですね。家族でその教会に属するようになり、ある程度生活も落ち着いてきました。
けれどもその一方で私の中には、いつも鬱々とした気持ちが完全に抜ける事はなかったんですね。