「犠牲になった友人」柳谷雄介氏(1/2)

「犠牲になった友人」出会いの贈りもの―震災後の釜石から―・柳谷雄介氏

「犠牲になった友人」
出会いの贈りもの―震災後の釜石から―
柳谷雄介氏(日本基督教団 新生釜石教会牧師)

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東日本大震災で命を落とした、僕の大切な友だちについてお話致します。

私が釜石に来て間もなくのある日「教会って何か面白いことやってんのー?」と言って、中学生の男の子がやって来たんです。普通だったら学校へ行っている時間だったので、ピンときました。学校に行かないでゲームセンターやカラオケボックスにも飽きて、そんな時に目に止まったのが教会だと言うんですね。

教会の中で自由に遊んで、楽しかったんでしょうね。決して日曜の礼拝には出ないんですけど、中学卒業後も時々教会に顔を出して、「前の仕事は辞めたんだ。あんなのやってらんねーよ」とか、「これ、新しい彼女なんだ」と女の子を連れてきたりしていました。

最後に教会に来たのは、2011年の2月でした。
元気のない様子で電話をかけてきて、「自殺未遂をしたんだ」と。教会へ迎え入れてゆっくり話をしました。本当につらい人生を生きてきたことを告白してくれました。車の免許も取れないような病気を持ってしまい、仕事でもあまり信用されない。彼女との仲も上手くいかない。ポツポツと語る彼の言葉に、涙を流すばかりでした。そして何日教会に泊まっていったでしょうか。「また何とかやってみるよ」と言って帰っていきました。ギリギリのところで何とか生きる気力が与えられて良かった、と思いながら別れたんです。