「起き上がって、歩き出す」金田聖治氏(1/3)

あなたが生命を得る、ただ一つの道・金田聖治氏「起き上がって、歩き出す」愚直な道―マルコによる福音書―

「起き上がって、歩き出す」
愚直な道―マルコによる福音書―
金田聖治氏
(日本キリスト教会鎌倉栄光教会牧師)

聖書:マルコ福音書5章21~24、35~43節 >>聖書を読む

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信仰がらいでいる

主イエスはヤイロに向かってこう仰いました。「恐れることはない。ただ信じなさい」
語りかけているその言葉によって、語りかけられている相手がどんな様子なのかわかるものです。
例えばお母さんが子供に「静かにしなさい」と語りかけるとき、その子供はワイワイガヤガヤと騒いでいます。同じように、「恐れることはない」と主イエスが彼に語りかけているのは、彼が恐れに取りつかれ、その恐れの中に今にも飲み込まれようとしているからです。
「ただ信じなさい」と語りかけられているのは、主イエスへの彼の信頼が揺らぎだしているからです。

ヤイロはもちろん主イエスを信じていました。同時に、目に映り耳に入る様々な事柄が、主イエスへの彼の信頼を紛れさせ続けます。だって、家からの使いも「娘は死んだ。主イエスだろうが誰だろうが、何をやっても無駄だ」と告げたのです。近所の誰も彼もが泣いて、すでに娘の死を受け入れているのだし。「死んだのではない。眠っているだけだ」と主イエスが仰った言葉を皆がバカにしてあざ笑っているのだし。 だからこそ主イエスは、娘の両親と三人の弟子たちを連れて、娘のいる部屋へと入っていきました。娘を生き返らせるために。娘だけじゃなく、その父さん母さん、そして弟子たちの信仰に再び生命を吹き込み、彼らの信仰の灯火が吹き消されないために。