ゲスト濱田秀伯氏より
コーヒーブレイク・インタビュー
濱田秀伯氏(精神科医)
●濱田
私は精神科医になりましてから5、6年目位の時に、「生きている意味が分らないから死にたい」と言う高校生の男の子と出会ったんです。これまでの医学的知識や医学的訓練では対応出来ず、どの様に接したらいいか分らなくて、本当に悩んだんですね。その後、同じような方を何人も経験して、恐らく、精神病の本当の基本は、生きている意味が分らなくなること、自分の存在理由がはっきりしないことが、一番初めの所なのだろうということに気付きました。生きる意味が分らないということは、神との関係が分らなくなる、ということなんですよ。その方は自分の生きる軸が見えなくなった、ということを言ってらっしゃるんです。
●吉崎
人間が孤立してしまっているというのが、ひとつ大きな問題でもあるのでしょうか。
●濱田
はい。自分は小さい頃から居場所がなかったとか、家庭環境が悪かったからこうなったんだと仰る方もあるんですけれども、そういう方は、今度は過剰に人との関係を求めたり、毎日どこかに出掛けないと不安になったり…。
私たちが孤立しているというのは、やはり、この世での人間関係がうまくいっていないということになる訳で、それは本当は垂直の「神との関係」がうまくいかないからこそ、横のこの世の人間関係に過剰に期待したり、反応してしまうということがあるように思います。やはり、個別に神と対話するという形をどこかで作ることが大切だと思うのです。
神は、私たち一人ひとりに、名前で話しかけて下さるんですよ。聖書はそう書いています。必ず名前で呼んで下さる。神と直接話が出来るような関係が出来れば、それを軸にして横の私たちの孤独な関係も解消されていくだろうと私は考えています。