「今、神学するということ」石居基夫氏

考えてみると、そのことを一番意識して格闘していた人は遠藤周作です。「西欧で仕立て上げられた洋服ではなく着物に仕立て直さなければ日本人の自分の体には合わない」と遠藤さんが言われた事は、考えさせられますよね。

例えば3.11の出来事では私たちの有り様が問い直されましたよね。単なる自然災害ではなく、私たち日本社会のひずみや格差、科学の恩恵と危機が浮き彫りになってきた。その中で文学や哲学の分野では、今語らねばならない言葉が改めて紡がれているんです。これは本当にすごいなと思うんですが、では神学はどうだろうか?と言うと、少し心もとない気がします。今だからこそ、この問題に焦点を当てなければいけない、そういう事柄があると思うんです。

—長倉 たしかに、私たちが信じるお方は今も生きている方ですから、そのお方との対話ということになると、今何を見つめるべきかを問わざるを得ないですよね。