「福音主義教会の建設へ」徳善義和氏

・信仰が深められていくことによる改革

当時改革を過激に推し進めていた人たちが、『こう改革をしなければならない』『ねばならない』と実力行使をするようにして改革を進めてきたのに対して、マルチン・ルターは『全てのことは自由に進んでいくのだ』と言います。何よりも大切なのは、信仰が深められ強められていくことだと言うのです。信仰が深められ強められていって、イエス・キリスト以外の何者にも依り頼む必要がないということがわかってくれば、他のものはひとりでに無くなってしまうだろう、その時には改革は自然と起こってしまうのだ、と人々に説いて聞かせたのでした。

もちろん『自分たちこそ改革をしなければならない』と、改革を過激に進めた人たちもそう思っていました。しかし、マルチン・ルターは「改革というのは我々人間がするのではない」と、二番目の説教でそう言っています。『俺がしなければ改革は起こらないんだ』と一人の人間が思い上がってしまうとするならば、教会の改革・信仰の改革も、神を中心に据えることから結局は、中世の教会の、人間を中心に据える在り方に、また違った形で後戻りしてしまうことになってしまうのです。だから、教会の改革・信仰の改革というのは何よりもまず、『神が改革の働きをおひとりでお進めになる、みな神の働きだ』ということを具体的行動を取る時にも確認することにある、というのがマルチン・ルターの考え方でした。