「罪と赦しの秘跡―福音の神髄」岩島忠彦氏

人はいろいろな負い目やゆがんだ部分を持っている。自分でそれを赦すことも正当化することもできない。けれどもそれを認めてしまったら自分の立場がないというようなことが多いわけです。それは例えるなら逃亡中の殺人犯みたいなものです。なぜ逃亡するかというと、捕まったら必ず死刑だとわかるからです。人が罪人だというのはどこかそういうところがあるんです。自分の中に何かしっくりこないものがあっても、それを認めたら立つ瀬がないわけです。だから自己弁護をする。

それに対してこの福音は「いや、神様は無条件で全部赦す」と言ってるんです。それは普通、考えられない。しかし神様にとっては「あなたがたはそれほど尊い」。だから救われるんです。それを信じることによってもう一度勇気を持つことができ、その愛に信頼して自分も愛する人になる。

それを信じている人たちの集いである教会の中で、その最も中心的な恵みが非常に具体的な形でいつも起こり続けるようにしている、それが赦しの秘跡なんです。誰でも自分の罪を告白するのは抵抗がある。しかし「私は罪を犯しました」と告白し、そして「あなたの罪を赦しました」という言葉を聞くことによって、福音の恵み、救いというものを今ここで実現し続けるわけです。同時にそれは、ただ赦されるということだけではありません。