「ボンヘッファーの最期の日々」村上伸氏(1/2)

「ボンヘッファーの最期の日々」ボンヘッファーの生涯と信仰・村上伸氏

ボンヘッファーの最期の日々
ボンヘッファー~その生涯と信仰~
村上 伸氏(日本基督教団隠退教師)

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死刑前の礼拝

1944年9月、国家秘密警察がボンヘッファー達の反ヒットラー計画の証拠を発見し、事情は非常に切迫して参ります。彼は10月に監獄に移送された後、強制収容所で七週間過ごし、最後の一週間は南ドイツを転々とします。 1945年四4月にヒットラーが自殺するわけですから、戦争が終わろうとする頃です。  伝記にはこうあります。

「ボンヘッファーは…シェーンベルクという小さな村に着いた。…この村の学校で彼らは復活節後第一主日を祝っていた。…彼は定められた聖句を読み、祈りを捧げ、一同にその日の聖書日課を示した。 『その打たれた傷によって、われわれは癒やされたのだ。』(イザヤ書53章5節) 『ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神は、その豊かなあわれみにより、イエス・キリストを死人の中からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新たに生れさせて生ける望みをいだかせてくださったのである。』(一ペテロ1章3節)

彼は、このような囚われの状態がそこにいる全ての人達の中に生み出している思想と決断とについて語った。それから間もなく扉が開けられた。二人の民兵が入ってきて叫んだ。『囚人ボンヘッファー、用意して同行せよ。』彼は友人にメッセージを託した。『これが最後です。私にとっては命の始まりです。』ボンヘッファーは急ぎ足に階段を駆け下り、別れの挨拶を受けた。」


写真出典『ボンヘッファーの生涯ー写真と著作による評伝』新教出版社
E.ベートゲ夫妻/Ch.グレメルス編 高橋祐次郎訳
http://www.shinkyo-pb.com/theology/post-337.php